国際シンポジウム 2020「建築と空間のジャポニスム―1860年代から現代まで」

日時:        2020年10月10日(土) 9:30~17:30

                     Zoomミーティングによるオンライン開催

主催:        ジャポニスム学会/公益財団法人 荏原 畠山記念文化財団

使用言語:    日本語、英語(遠隔同時通訳付き)

定員:           300名

参加費:        無料

趣旨:   エドワード・S・モースやブルーノ・タウトが日本の建築文化について著し、フランク・ロイド・ライトがシカゴ万博の日本館に影響を受け、数回来日したことはよく知られる。彼ら明治以降来日した西洋人は日本建築のどのような点に惹かれたのか。他方、浮世絵や工芸品に夢中になったジャポニザンたちの目は日本の建築にも向けられたのだろうか。また、日本建築の特徴はどのように理解されて西洋の建築に取り入れられ、モダニズム建築の誕生にどのような影響を与えたのか。
翻って、数々の万国博覧会で日本建築が紹介されたが、海外に向けた日本側の発信はどのようになされたか。さらに安藤忠雄、SANAA、隈研吾など世界的に活躍する日本人建築家は、設計にあたって和の要素をどのように意識し、それは西洋からどのように評価されているのか。
2020年のジャポニスム学会国際シンポジウムでは、これらの東西文化の出会い、そこから生ずる驚き、学び、そして応用といった問題を、建築のデザイン面と建築空間が生み出す思想面の双方から検討したい。

プログラム                         

9:30    開会 司会 石井元章 大阪芸術大学教授

9:30 ~ 9:40ご挨拶

馬渕明子 ジャポニスム学会会長、国立西洋美術館館長

中村弘志 公益財団法人 荏原 畠山記念文化財団理事

9:40~9:50 趣旨説明

田中厚子 芝浦工業大学 特任教授

第1セッション 外国人の日本建築観 司会 田中厚子

9:50 ~ 10:20 濱島広大 筑波大学大学院後期課程

「19世紀中葉の駐日英国人の日本建築観 アーネスト・サトウとA. B. ミットフォードを中心に」

10:25 ~ 10:55 大久保美春 比較文化研究家

「外国人の見た茶室  その美と哲学の理解」

第2セッション 海外における日本建築受容と理解 司会 大久保美春

11:00 ~ 11:30  ボズレー、エドワード・R. ギャンブル・ハウス館長

「太平洋の両側  グリーン&グリーンの建築と日本」

11:35 ~ 12:05 クルゼル、ジャン・セバスティアン ソルボンヌ大学准教授

「フランスのジャポニスムを代表する重要建築の修復について:ミドリノサト、アルベール・カーン邸庭園の日本家屋、ラ・パゴード、鴻の間」

昼休憩

第3セッション 万国博覧会の日本館:その意図と表現  司会 大久保美春

13:05 ~ 13:35 石井元章

「万国博覧会参加の牽引車としての日本建築  1911年のローマ・トリノ二重万国博覧会の日本館」

13:40 ~ 14:10 萬代恭博 野村不動産株式会社特別専門職、長谷川香 東京理科大学助教、山名善之 東京理科大学教授

「『新しき日本建築』としてパリ万国博1937日本館  坂倉準三が表明した『日本の建築精神』」

14:15 ~ 14:45 チャプコヴァー、ヘレナ 立命館大学准教授

「ギャラリーになった日本の空間  万国博覧会日本館のその後」

休憩

第4セッション モダニズムの空間と日本建築 司会 田中厚子

15:00 ~ 15:30  オーシマ、ケン・タダシ ワシントン大学教授

「裏返しのジャポニスム  ブルーノ・タウトから隈研吾へ」

15:35 ~ 16:05  岸 佑 国際基督教大学アジア文化研究所研究員

「『日本的』建築の形成と展開」

16:10~16:40  江本 弘 日本学術振興会特別研究員PD(千葉大学)

「ミースを囲む雄弁  『日本建築の影響』言説の形成史」

https://www.youtube.com/watch?v=SBof09vUZzY

16:45~17:15  グラシア、リリ パリ・ベルヴィル建築学校修士課程、長谷川香、山名善之

「ローランド・シュヴァイツァーによる日本の伝統建築と近代性に根ざした弁証法的思考の具現化  シューのユース・センター(1973)とブレストのムーラン・ブラン・インターナショナル・センター(1983)」

17:15 ~ 17:25 まとめ   田中厚子、山名善之

17:25                  閉会挨拶 高木陽子 ジャポニスム学会理事長 文化学園大学教授

17:30                 閉会