ジャポニスム学会の毎年の活動は、年1回の総会(講演会併設)、年数回の例会と見学会、年1回の会報を中心としています。以下に2007年のニュースと活動記録を掲載します。なお数年に一度、シンポジウムや連続講演会の開催、書籍の出版など特別の催しを行っております。
■シンポジウム「ジャポニスムの過去・現在・未来」ならびに、第28回ジャポニスム学会賞授賞式を東京都港区の畠山記念館にて行いました。
以下の日程で、シンポジウム「ジャポニスムの過去・現在・未来」、ならびに第28回ジャポニスム学会賞授賞式を行います。
日時:2007年12月8日(土)1:00-7:00(12:30より受付開始)
会場:畠山記念館 東京都港区白金台2丁目20-12 tel. 03-3447-5787
最寄駅:都営浅草線 高輪台駅/メトロ南北線&都営三田線 白金台駅
【プログラム】
・ シンポジウム:畠山記念館 講堂 1:00-5:00
- 大島清次先生・嘉門安雄先生の御業績とジャポニスム学会の歴史について紹介
- パネリストによる報告
川本皓嗣(大手前大学学長・比較文学)
「ジャポニスム再考ー回顧と展望」
渡辺俊夫(ロンドン芸術大学教授/日英美術交流史)
「忘れられたジャポニスム-1920年代から50年代にかけてのイギリス・アメリカ における日本趣味を探る」
深井晃子(京都服飾文化研究財団理事・西洋服飾文化史・美術史)
「表層から構成原理へ-ジャポニスムとモード」
稲賀繁美(国際日本文化研究センター教授・文化交渉史)
「日本美学の批判的検討のために」
三浦篤(東京大学教授・フランス近代美術史)
「ジャポニスム研究の広がりと深化-フランスの現状を踏まえて」
- パネル・ディスカッション
川本皓嗣 渡辺俊夫 深井晃子 稲賀繁美 三浦篤(コーディネーター)
・ジャポニスム学会賞授賞式 畠山記念館 双清亭 5:00-5:30
授賞者 :岡部昌幸氏(帝京大学准教授)
対象業績:「ジャポニスムのテーブルウエア -西洋の食卓を彩った”日本”- 」展の企画および同展図録掲載論文「ジャポニスムのテーブルウエア-19世紀末、欧米の食卓を彩った日本の美意識」(会場:松下電工汐留ミュージアム 会期:2007年2月9日-5月6日)
・懇親会:畠山記念館 双清亭 5:30-7:00(参加費2,500円)
・畠山記念館本館では「茶の湯の美-利休から宗旦へ」展を開催しております。シンポジウム参加者は無料で入場いただけます。また、畠山記念館双清亭にて当日にかぎり、学会賞授賞者の岡部昌幸氏の企画による美術展示会を設けております。早めにお越しくださるか、休憩時間などに是非、ご見学ください。
※ご参加される場合は、FAXにてジャポニスム学会事務局にお申し込みください。(03-3368-2827)その際、氏名、所属、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、懇親会の参加の有無(懇親会費2,500円)をご記入ください。
※定員100人に達したところで、締め切らせていただきます。申し込みにたいしては、後日ご参加の可否につきましてご連絡を差し上げます。申し込み期限は12月2日(日)となっております。
※会場付近に昼食ととれるお店はいっさいございません。シンポジウム会場への食べ物の持ち込みをご遠慮いただいております。最寄り駅の周辺もお店の数は多くはないため、手前の駅などでお済ませください。
※参加費は、学会員、畠山記念館友の会会員は500円、一般は1,000円、一般(学生)は500円となっております。
■第28回(2007年度)ジャポニスム学会賞が決定いたしました。授賞式を行います。
ジャポニスム学会理事会では、さる8月に学会賞審査担当理事による本年度学会賞の審査をへて、9月の理事会にて第28回(2007年度)ジャポニスム学会賞を下記の業績にたいして贈ることに決定いたしました。
第28回(2007年度)ジャポニスム学会賞
授賞者 :岡部 昌幸 氏
対象業績:「ジャポニスムのテーブルウエア -西洋の食卓を彩った”日本”- 」展の企画および同展図録掲載論文「ジャポニスムのテーブルウエア-19世紀末、欧米の食卓を彩った日本の美意識」(会場:松下電工汐留ミュージアム 会期:2007年2月9日-5月6日)
授賞者略歴:
1957年生まれ。1980年早稲田大学第一文学部美術史専攻卒業。1983年早稲田大学大学院文学研究科芸術学(美術史)専攻修士課程修了。現在、帝京大学文学部史学科準教授。
授賞理由:
今回の授賞業績となった『ジャポニスムのテーブルウエア』展は、岡部昌行氏が数年前より企画、実現した労作であり、ニューヨーク在住のデイヴィー夫妻のコレクションの一部を展覧会として編成したものである。個人コレクションとはいえ、岡部氏の長年の見識によって、展覧会として学術的にも非常に興味深くかつ広い観客層の期待や関心にも応じうる内容であった。ジャポニスム研究において、アール・ヌーヴォーにかかわる工芸部門や家具など生活環境におけるジャポニスムの再評価は注目すべきものがあったが、アメリカにおける陶磁器の紹介はまだ数少ない中、本企画は、万博などに展示される特殊な目的と形態を持つものではなく、日常的な生活用具としてのテーブルウエアへの注目という点で、斬新であり、評価に値する。貴族の時代からブルジョワ趣味時代への移行とジャポニスムの展開とが重なり合ったということが、今回の展示作品を見るうえで興味深く、示唆的である。また、図録掲載論文において、岡部氏は『米欧回覧実記』によってウィーン万博の影響を詳細に論じている。岩倉使節団の役割が、日本の殖産興業発達の基礎に役立ったとする従来の見方にとどまらず、輸出産業との関わりに踏み込んで論じている点は重要である。
■2007年度第3回例会を開催いたしました。
以下のように、見学会を開催いたしました。
日時: 10月13日(土) 13:30~
場所: 日本女子大学 目白キャンパス 百年館低層棟 104教室
*JR目白駅前からバスで約5分「日本女子大前」下車
*東京メトロ有楽町線、護国寺駅から徒歩15分
*ホームページをご参照ください http://www.jwu.ac.jp/map/index.html
発表
13:30~ 井内香菜「オルガ・ボズナニスカとジャポニスム」
15:00~ 小川里枝「チェコのジャポニスム 19世紀末~20世紀初頭のグラフィックを中心に」
■2007年度第1回例会・見学会のお知らせ。
以下のように、見学会を開催いたしました。
日時: 4月28日(土) 14:00~16:00
場所: 松下電工 汐留ミュージアム
見学: ジャポニスムのテーブルウェア――西洋の食卓を飾った“日本”
■林忠正シンポジウム報告書刊行。
2005年秋に開催された林忠正の国際シンポジウムの報告書、『林忠正―ジャポニスムと文化交流』(ブリュッケ)が2007年2月に、日英2カ国語で刊行されました。定価5000円(+税)のところ、ジャポニスム学会員に限り、1部送料込みで4000円で販売してもらえることになりました。ご希望の方は、電話、ファックス、メールのいずれかの方法で、学会員である旨明記し、住所氏名を記して下記へお申し込みください。本に振替用紙を添えて送られますので、速やかにお支払いください。
ブリュッケ 電話:042-580-0058 ファックス:042-580-0136 メール:brucke@whi.m-net.ne.jp
(但し、近日中に変更の予定あり)