ジャポニスム学会 国際シンポジウム2021 研究発表公募要項

ジャポニスム学会は、公益財団法人荏原 畠山記念文化財団との共催により、ジャポニスム学会国際シンポジウム2021を開催いたします。今年度のテーマは、公募により下記の「ジャポニスムと東洋思想(宗教・哲学・美学): 19-20世紀」に決定いたしました。このテーマのもと、下記のようにシンポジウムへの発表者を公募します。

現在の新型コロナウィルス感染拡大防止対策を前提とする社会状況に鑑み、今回のシンポジウムはオンライン・シンポジウムの形で行います。研究発表は、作成したビデオを事前にお送り戴く予定です。各発表および討論に同時通訳をつけて配信し、参加者もオンラインによる参加となります。なお、今後の社会状況の変化によっては、開催に変更が出る場合もあることをあらかじめご了解いただきますようお願いいたします。なお最終的な開催方法やプログラムは9月に発表する予定です。

「ジャポニスムと東洋思想(宗教・哲学・美学):19-20世紀」

趣旨:

ジャポニスムで喚起された日本に対する眼差しが、東洋思想が持つ精神性へ向けられた側面に焦点を当てる。

19世紀半ばにはシーボルトが著書『日本』で日本の宗教や思想を紹介し、アメリカでは仏教や神道を詳述したパンペリーがジョン・ラファージに影響を与えた。このほかファン・ゴッホをはじめ、ゴーガンやルドン、さらにはクレーなど仏教の影響が見られる画家は少なくない。またギメ美術館やボストン美術館では仏像展示室が設けられた。これと同時期に、神智学やエドウィン・アーノルドらにより東洋思想が流布するとともに、1893年シカゴの万国宗教会議で世界に東洋の宗教が周知されている。

東洋思想の欧米での受容は20世紀に引き継がれ発展する。岡倉覚三の『茶の本』や鈴木大拙の『禅』を通じ、「空(虚)」、「無(為)」、さらには「わび」、「さび」など日本の美学も伝えられ、アーサー・ウェイリーからオイゲン・ヘリゲルまで、欧米での東洋思想や日本美学の研究が活発化した。思想受容とともに、資本主義や物質文明に対峙する精神性をそなえた東洋思想は、文芸作品や演劇、建築などにも影響を与えた。

シンポジウムでは、19世紀から20世紀半ば頃までの具体的な事例を通じて、東洋思想とジャポニスムとの関係、及びその意義について考察したい。

日時:2021年12月4日(土)

会場:オンライン開催予定

主催:ジャポニスム学会/公益財団法人 荏原 畠山記念文化財団

発表使用言語:日本語または英語(日英同時通訳配置予定)

応募資格:ジャポニスム学会員(正会員・学生会員)であること。現在会員でない方は応募するまでに入会申込手続き(学会ホームページ入会案内https://japonisme-studies.jp/入会・年会費案内/ 参照)をしてください。理事会で入会審査を行なった後に、発表申込受け付けとなります。

 研究発表(20分間予定)希望者は、発表内容の要旨を1200字前後(A4判 1枚、英文も同様)にまとめ、メールに添付して2021年7月31日(土)日本時間17までに下記国際シンポジウム担当理事にご提出ください。既に公刊された内容は本シンポジウムの審査対象となりません。審査の上、採否を理事会で決定し、9月15日(水)を目途に結果を通知します。

 また、発表が決定した場合、同時通訳に使うため発表原稿と発表動画を11月15日(月)までに提出する義務を負っていただきます。

問い合わせ・応募書類送付先:

ジャポニスム学会国際シンポジウム担当理事

田中厚子Japonisme2021Kokusai@gmail.com