学会員の皆様には先のニューズレターにて、「国際シンポジウム2022」の研究発表公募のお知らせをいたしました。
現在までに相当の応募をいただいておりますが、より多くの方々のご発表を募るために、締切りを7月16日(土)まで延長することにいたしました。ふるってご応募くださいますようお願い申し上げます。

ジャポニスム学会は、公益財団法人荏原 畠山記念文化財団との共催により、ジャポニスム学会国際シンポジウム2022を開催いたします。今年度のテーマは、公募により下記の「グラフィック・デザインとジャポニスム:1920世紀」に決定いたしました。このテーマのもと、下記のようにシンポジウムへの発表者を公募します。現在の新型コロナウィルス感染拡大防止対策を前提とする社会状況に鑑み、今回のシンポジウムも昨年度同様にオンライン・シンポジウムの形で行う予定です。研究発表は、作成したビデオを事前にお送り戴く予定です。各発表および討論に同時通訳をつけて配信し、参加者もオンラインによる参加となります。なお、今後の社会状況の変化によっては、開催に変更が出る場合もあることをあらかじめご了解いただきますようお願いいたします。

 

「グラフィック・デザインとジャポニスム:1920世紀」

趣旨:日本のグラフィック・デザインの重要性は、これまで浮世絵版画や工芸の「図案」との関連で論じられてきた。しかし、近代の一世紀以上に亘り多様な形態をとった主要な視覚言語としての役割はあまり論じられてはいない。日本のグラフィックといえば、江戸期の浮世絵版画と絵手本の類を源とするが、明治期に入ってからも、より商業的な媒体として発展し、「図案帖」や「見本帖」、あるいはポスターや商品パッケージなどのかたちで国際的なマーケットの増大する受容に応えてきた。さらにその後は、戦時におけるプロパガンダ・イメージにおいても発展するとともに、戦後も映画や演劇、音楽などの社会的かつ文化的活動のポスターやブックレットなどの分野でも重要な役割を果たしている。今日では、日本のグラフィック・デザインは、西洋の美学に最も強力な影響を及ぼした視覚言語のひとつとなっている。20世紀の西洋の映画や音楽、演劇のポスターは、日本のグラフィック・デザインとタイポグラフィーに注目してきた。日本が欧米のポスターに目を向けたのとは対照的である。今日でも日本特有の「空白」と単純性の嗜好は非常にエレガントな表現として、欧米で新たに注目されている多様なジャンルやメディアの創造活動に影響を及ぼし続けている。このシンポジウムでは、グラフィック・デザインをめぐる日本と欧米の文化間交流と相互の影響関係を全体テーマとし、19世紀の「図案」から、工芸作品やテキスタイルなどの応用芸術を経て、現代のグラフィック・デザインまで、幅広く相互の交流状況を具体的に検討したい。

日時:20221112日(土)
会場:オンライン開催(予定)
主催:ジャポニスム学会/公益財団法人 荏原 畠山記念文化財団
発表使用言語:日本語または英語(日英同時通訳配置予定)

応募資格:ジャポニスム学会員(正会員・学生会員)であること。現在会員でない方は応募と同時に入会申込手続き(学会ホームページ入会案内https://japonisme-studies.jp/入会・年会費案内/ 参照)をしてください。理事会で入会審査を行なった後に、発表申込受け付けとなります。
研究発表(20分間予定)希望者は、発表内容の要旨を1200字前後(A4 1枚、英文も同様)にまとめ、メールに添付して2022716日(土)日本時間 23:59までに下記国際シンポジウム担当理事にご提出ください。既に公刊された内容は本シンポジウムの審査対象となりません。
審査の上、採否を理事会で決定し、815日(月)を目途に結果を通知します。また、発表が決定した場合、同時通訳に使うため発表原稿と発表動画を1017日(月)までに提出する義務を負っていただきます。

問い合わせ・応募書類送付先:
Eメール:japonisme2021kokusai@gmail.com(ジャポニスム学会国際シンポジウム担当理事:田中厚子・藤原貞朗)